特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > 印刷について > 特色印刷で注意したい3つのポイント
公開日:2019年02月15日
「特色印刷」という印刷方法をご存知でしょうか。特別な色、つまり一般のカラー印刷とは一味違った色合いを再現する印刷になります。
わかりやすいのは「金・銀」です。一般的なフルカラー印刷とは、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色を掛け合わせて色を再現するのですが、金色などは通常の掛け合わせでは再現できません。そのために特別にインキを調合して印刷をするのです。ですので、フルカラーの印刷に金色がプラスされていた場合は、4色+1色の5色印刷となるわけですね。特色はこの他にも蛍光色であったり、通常のフルカラーでは再現できない色のニュアンスで独自の表現を作り出す事ができます。
今回はそんな特色印刷についてご説明いたします。
冒頭でご説明したような「金・銀」そして「パール」などは商品パッケージや雑誌など目立たせたい印刷物によく使われます。高級感がでたり、デザインの表現力もアップしますね。
また、普段は気がつかないかもしれませんが、企業のコーポレートカラーが特色である場合もあります。プロセスカラーでは再現できない指定色によって、企業のブランディングに繋がっているというケースもあります。
特色印刷を指定する時には、下記の二つが一般的です。
DICはDICグラフィックス株式会社の特色であり、国内では最もスタンダードです。国内企業のコーポレートカラーが特色の場合は、DICを指定する事が一般的です。
一方でPANTONEは海外の企業です。ですので外資系の企業のコーポレートカラーはPANTONE指定である事が一般的となります。ちなみに、PANTONEでは毎年「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 」という、その年のトレンドカラーを発表しています。2019年のカラーは、PANTONE 16-1546 Living Coral。柔らかなサンゴ色です。見ているだけで癒されますね。
特色印刷を指定する時は、「ナンバー」を伝えます。例えば上記のサンゴ色は「16-1546」の部分ですね。その時にできれば、各色に名付けられている名前(例:Living Coral)や、後述するカラーチップを渡すと取り違いのリスクが軽減されます。
DICの場合は3〜4桁の番号になります。例えば濃紺でよく使われる特色は「DIC435」です。色味の確認にはカラーチップを使います。カラーチップはDICのホームページなどから購入する事ができます。また、最近ではパソコンやスマートフォンからも確認ができるようになりました(DICデジタルカラーガイド)。ただしこちらはあくまでパソコンやスマートフォンのディスプレイ上での色合いなので実際の印刷物と同じになることはありません。あくまで参考程度にしてください。
特色印刷は表現力をアップする大変素晴らしい印刷ですが、いくつか注意する点があります。
ここでは3つご紹介しますのでご参考にしてみてください。
(1)オンデマンド印刷では特色印刷はできない
オフセット印刷では特色印刷が可能ですが、オンデマンド印刷ではできない場合があります。これは特色印刷ではDIC、PANTONEといった指定に合わせてインキを調合して用意しますが、オンデマンド印刷では基本的にCMYKのトナーでしか色を再現することができないので、特色印刷にはならないのです。最近では、金トナー・シルバートナーというトナーを使う事で、金・銀の表現ができる印刷機も出てきましたが、近似色でしか再現ができない場合がありますので、あらかじめ特色印刷が必要な印刷物という事が分かっているのであれば、オフセット印刷を視野に入れておきましょう。新晃社では特色印刷の場合は、基本的にオフセット印刷になります。
(2)紙によって色が変わる
そして紙との相性も注意が必要です。一般的な用紙では上質・マット・コートのように紙質が違います。さらにファンシーペーパーといったような特殊紙もあります。これらの紙に特色印刷を施しても同じ色にはなりません。紙によって特色インキの発色が異なるからです。もちろん、紙によって異なる色合いをとするのも一つの楽しみ方であり、幅広い表現力とも言えますが、いざ印刷をしてみた際にイメージと違ったといった事が無いように、事前に印刷会社に相談したり、色校正紙を取り寄せる事がオススメです。ちなみに特色印刷の見本となるカラーチップはコート紙であることが一般的です。ですので、実際に注文する印刷物の紙がコート紙であれば、ほぼ同じ再現になります。一方で、上質紙は紙がインキを吸ってやや沈んだ色合いになりますので、ご注意ください。
(3)コストが上がる可能性
特色印刷は、その指定色に合わせてインキを調合して印刷を行うため、一般的な印刷よりもコストが上がる事があります。事前にどのくらいの費用がかかるのかを調べておくことをオススメいたします。ただし、ケースによってはコストが下がることもあります。例えば、フルカラー印刷では4色を使用しますが、ロゴカラーと文字情報だけでデザインされた印刷物であれば、2色印刷になるため、使用するインキの数が少なくなりコストが下がるということもあります。いずれにしても、特色印刷は事前に相談する事をオススメします。
新晃社はDIC、PANTONEともに特色のオフセット印刷に対応しており、豊富な実績を持っていますのでお悩みやご相談などがありましたらお気軽にご相談ください。
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