特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > 印刷について > 【よく分かる】印刷発注するときの、紙の基本知識
公開日:2019年12月24日
皆さんは印刷を頼む時に、紙についてどのように選んでいますでしょうか。
「プロの印刷会社にお任せ」というのも一つの方法ですが、最近では印刷通販を利用する場合や、DIYで印刷する場合など自分自身で紙を選ぶケースも増えてきました。今回は、印刷するために知っておきたい紙の基本知識についてご紹介します。ぜひご自身のケースに当てはめてみてください。
紙を選ぶポイントは大きく分けて「紙質」「厚さ」「白さ」の3つになります。それではまずは紙質からご紹介いたします。
印刷物で取り扱う代表的な紙質は「コート紙」「マットコート紙」「上質紙」の3つになります。
○コート紙:ツルツルとした手触りをしており、発色が良く印刷物の色合いを鮮やかに表現できるためカラー印刷に適しています。
【使用例・・・チラシ・フライヤー、ポスター、等】
○マットコート紙:しっとりとした手触りとしており、鮮やかな色合いを表現しつつも上品な仕上がりを目的としたカラー印刷に適しています。
【使用例・・リーフレット・パンフレット、カタログ、等】
○上質紙:一般的な紙です。コート紙、マットコート紙と比べると、色合いはややしずんだ雰囲気になります。モノクロ印刷に適しています。
【使用例・・・アンケート用紙、お知らせ文などの添書、等】
この中から「どの紙質を選べばい良いか?」というポイントですが、フルカラー印刷なのか or モノクロ印刷なのかを確認してみてください。
印刷物がフルカラー印刷であれば、「コート紙」「マットコート紙」のどちらかが候補になります。
紙の値段はどちらも変わりませんので、印刷物の雰囲気に合わせてお選びください。
印刷物がモノクロ印刷であれば、上質紙が候補になります。
もちろん上質紙でもカラー印刷はできますので、色合いにあまりこだわらず値段を抑えたいときは上質紙をお選びください。
(注)色合いについては、発注前に「色校正」をとって確認することをおすすめいたします。本番印刷前に、試し刷りをすることで色合いの確認ができますので、イメージと違ったなどのトラブルを防ぐことができます。
以上のように、コート紙、マットコート紙、上質紙が一般的な印刷用紙になりますが、「ファンシーペーパー」という紙の種類があります。代表的な紙に「ヴァンヌーボ」「マーメイド」などがあり、高級感溢れる手触りの良い質感の紙で、結婚式の招待状や、式典の式次第などによく使われます。ちょっと差をつけたい場合などは大変おすすめです。
紙の厚さを示す単位は「kg」になります。「ミリやセンチでは?」と思うかもしれませんが、どんな印刷会社でもほとんどkgで表示しており、kgに慣れておくと印刷物の仕上がりイメージを持ちやすくなります。
kgでの呼び方を「連量(れんりょう)」と呼びます。1連=四六判サイズの原紙1,000枚と数え、この重さによって紙の厚さが決まります。例えば、90kgの紙であれば原紙1,000枚を積み重ねた重さが90kgという事になります。
※四六判サイズの原紙は788mm × 1091mmの寸法になります
ですので、連量(kg)が大きいほど厚い紙になり、小さければ薄い紙になります。
目安として、一般的なコピー用紙は55kgになります(メーカーなどによって異なります)。kgの感覚を掴む参考にしてみてください。
ちなみにチラシ印刷によく使われる紙は90kgになります。やや厚みを持たせたい場合は110kgなど、さらに上の連量を選択します。
連量についてはこちらの記事も参考にしてみてください。名刺、チラシ、パンフレットなどの印刷物に応じたオススメの紙の厚さをご紹介しています。
紙の「白さ」はあまり意識される事が少ないかもしれません。しかしながら、印刷物の印象に関わってくる大事な要素です。
例えば、再生紙は通常の紙と比べてややくすんだ色である場合があります。これは、紙の原料である木材以外に、古新聞などのリサイクル原料が混ざっている事によって、白色度に影響がでるためです。その他にも、サトウキビの絞りかすを利用した「バガス」と呼ばれる非木材の原料で作る紙なども、通常の紙の色と比べるとややクリームがかった色をしているなど、実に様々です。
リサイクル資源や非木材を原料とした紙はSDGsの観点からも年々注目度が高まっており、利用シーンも増えていますが、印刷物で表現したい印象によって紙を選ぶとイメージに近い仕上がりになります。素朴でナチュラルな風合いを求めるのであれば、「バガス」「竹はだ」などの非木材の用紙は大変おすすめです。一方で、雪の様な混じり気のない白さを求める場合は、通常の用紙がおすすめです。
紙の白さについて少しイメージが湧いたでしょうか。もう一つだけ例を挙げると、クリアファイルのような透明な素材に印刷した場合と、白い紙に印刷した場合では、色の仕上がりがまったく違ってきます。それだけに素材の影響というものは、実のところ非常に重要なのです。紙の白にインクがのって、色が表現されるため「白色度」は大切なポイントです。ぜひ意識してみてください。
また、やや上級者向けの説明になりますが、同じジャンルの紙でも銘柄によって少しずつ白色度や質感が違うものです。つまりわずかに発色も変わってきます。一般的な印刷物であれば、それほど気にすることはありませんが、印刷物の仕上がりに強いこだわりや希望するイメージがある場合は、銘柄にこだわってみるといいと思います。この場合は直接印刷会社に相談してみてください。紙の銘柄だけでなく、印刷方法や加工方法を相談しながら進めることをおすすめいたします。
今回は印刷発注する時の、紙の基本知識についてご紹介させて頂きました。ぜひ「紙質」「厚さ」「白さ」について確認した上で紙を選択し、迷うことの少ない印刷発注に役立ててみてください。また、印刷会社はたくさんの紙の見本帳を持っている事がありますので、紙について気になることや調べたい事がある場合は、遠慮なく質問してみてください。
新晃社も多くの見本帳を所有しており、印刷発注の時には丁寧にご説明させて頂きます。皆様からのご質問・ご相談をいつでもお待ちしております。
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