特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > デザインの雑学など > 【解像度・画素数】スマホで撮った写真で入稿しても大丈夫?
公開日:2020年01月31日
チラシ、パンフレット、カタログ、ポスターなどの印刷物には、非常によく写真が使われます。
飲食店のチラシであれば提供する料理の写真、企業の会社案内パンフレットであれば業務風景や設備の写真、学校案内ポスターであればキャンパス風景の写真など、数え上げたらキリがないほどです。
最近では、非常に高性能なカメラを搭載したスマートフォンが多く出回っていることもあり、入稿データの写真がスマートフォンで撮影したものであることも増えてきました。しかし、最新機種のスマートフォンで撮影した写真だとしても、使いたいサイズに対して解像度が足りていない場合、鮮明に印刷することはできません。結果として、ぼやけた写真になってしまいます。
安心して入稿できるようにするための大事なポイントは「解像度」と「画素数」の2点です。今回はこの2点についてご紹介させて頂きます。
解像度とは、1インチ(2.54cm)四方の中に、どれだけドット(点)の数があるかを表します。この単位をdpi(ドット・パー・インチの略)で表し、350dpiの場合は、1インチあたりに350のドットが集まっているという事になります。
一般的に、フルカラーの印刷物の場合、300〜350dpiあれば鮮明に印刷することができます。一方、300〜350dpiより低い場合は、ぼやけた印象の仕上がりになるので注意が必要です(グレースケールの場合は600dpi、モノクロ二階調の場合は1,200dpiが目安です)。ポスターなどの大判印刷の場合は、離れて見るケースがほとんどですので、200dpi程度でもそこまで問題にはなりません。
また、350dpi以上の解像度の場合は、より細かいドットが集まっているデータになりますが、人の目では違いがほとんど判別できません。必要以上に高い解像度の写真データを取り扱うと、パソコンの処理速度が低下したりする原因になりますので、写真のサイズを縮小などすると作業がスムーズです。
よく耳にするのはこちらの「画素数」ではないでしょうか。この新製品のスマホに搭載しているカメラは●●●●万画素で〜、など聞いた事がある方もいると思います。
画素数というのは、画像を構成する画素の数の事を表します。画素の単位はピクセルで表し、例えば1,200万画素の画像であれば、一般的な画像比率の4:3とした場合、4,000ピクセル×3,000ピクセルの画素で構成された画像という事になります。
画素数が高ければ高いほど、多くの画素で構成された画像となるため、より鮮明な画像になります。拡大しても鮮明な状態を保ちやすくなります。一方、少ない画素で構成された画像の場合は、その反対になります。
画素数に応じた印刷可能サイズの計算方法はこちらになります。
(1インチ=2.54cmはミリに変換して25.4mmで計算します)
画素数(ピクセル)÷解像度(dpi)×25.4mm=印刷可能サイズ(mm)
例)1,200万画素のスマホで撮影した写真を、フルカラー印刷(350dpi)で使用する場合
4,000ピクセル÷350dpi×25.4mm≒290mm
3,000ピクセル÷350dpi×25.4mm≒217mm
以上となり、217mm×290mmのサイズ(A4サイズ相当)であれば350dpiの解像度を保つ事ができます。
これならチラシやパンフレットに使う事ができそうですね。ただし大判ポスター程度のサイズになってくると200dpiを下回ってきますのでご注意ください。「1,200万画素のスマホカメラであれば、写真サイズはA4サイズ相当としてなら使える」という事を目安にすると良さそうです。
ちなみにiPhoneの場合、iPhone SE以降の背面カメラは1,200万画素です。是非お使いのスマホカメラの画素数を当てはめてチェックしてみてください。
商品カタログや料理のメニューなどに使用する、高品質な写真を求める場合は「写真のクオリティ」にもご注意ください。
印刷物に使用する写真は、解像度や画素数を満たしていて鮮明に写ってさえいれば良い、という訳ではありません。料理であれば美味しそうに、ファッションであればブランドイメージにあった雰囲気で撮影することで、本来伝えたい魅力を引き出す事ができます。その為には、
・構図などのバランス
・光の当たり具合
・小物等の用意
・シズル感
など、様々な撮影の技術や機材・アイテム等の用意が必要になります。場合によってはモデルさんを手配した方が良いケースもあります。
スマートフォンで表現できない事もありませんが、写真にどの程度のクオリティを求めるのかを十分に考慮して、スマートフォンでの撮影でも良いのか、又はプロに依頼して一眼レフカメラ等で撮影してもらうのが良いのか、検討されることをお勧めいたします。新晃社では撮影が必要な案件も対応しておりますので、カメラマンをお探しの場合はお気軽にご相談ください。
結論として、スマホで撮影した写真は「どのくらいのサイズで使うのか」「どのくらいの解像度が必要なのか」をチェックした上で、適切な画素数をクリアーしていればOKです。また、印刷前に仕上がりを確認したい場合は、印刷会社に相談の上、色校正をとることをオススメいたします。
新晃社では印刷前のデータチェックやご相談を随時お受けしております。分からない事や気になる事がありましたらいつでもご連絡ください。担当者が丁寧にお応えさせて頂きます。
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