【印刷用データを入稿する際に必須】アウトライン化とは

公開日：2024年06月14日

【印刷用データを入稿する際に必須】アウトライン化とは

印刷物を制作する際、デザインやレイアウトだけでなく、データの準備も重要です。特に「アウトライン化」という処理は、印刷用データとして入稿する際に、多くの印刷会社で必須とされています。この記事では、アウトライン化とは何か、その手順、メリット、デメリットについて詳しく説明します。

アウトライン化とは

アウトライン化とは、テキストをベクター形式に変換する処理です。具体的には、フォント情報を持った文字データを、その形状を保ったまま図形データに変換します。これにより、文字が単なる線と点の集合として認識されるようになります。そのため、フォントデータの有無やバージョンの違いに関係なく、どの環境でも同じように表示・印刷できるようになります。

アウトライン化は、印刷業界で広く使われているAdobe Illustratorやその他のデザインソフトで行われることが多く、フォントが正しく表示されない問題を回避し、デザインの一貫性を保つために非常に重要なプロセスです。

アウトライン化の手順（Adobe Illustratorの場合）

Adobe Illustratorを使用してテキストをアウトライン化する手順は以下の通りです。

ファイルを開く

Adobe Illustratorでデザインファイルを開きます。

テキストを選択する

アウトライン化したいテキストを選択します。個々のテキストオブジェクトを選択するか、全てのテキストを選択する場合は、「Ctrl+A」（Windows）または「Cmd+A」（Mac）を使います。
※全てのテキストを選択するときには、オブジェクトロックやレイヤーロックが、かかっていないことを確認しましょう。

アウトライン化の実行

メニューから「テキスト」＞「アウトラインを作成」を選択します。これで選択したテキストがアウトライン化されます。

確認と調整

アウトライン化されたテキストが意図した通りに変換されているかを確認します。必要に応じて形状を微調整します。

保存

変更を保存します。元のフォント情報は失われるため、別名で保存することをお勧めします。

アウトライン化のメリット

アウトライン化には多くのメリットがあります。以下はその主要なポイントになります。

フォントの一致

アウトライン化により、印刷所や他のデザイン環境で異なるフォントがインストールされていない場合でも、デザインが意図した通りに表示されることになります。そのため、フォントが異なる環境で正しく表示されない問題を回避できます。

印刷品質の向上

アウトライン化されたテキストはベクターデータとして扱われるため、シャープでクリアな文字として印刷することができます。
ちなみに、テキストを画像に変換する処理として、ラスタライズ化というものがあります。これはピクセル（ラスタ）形式に変換する処理であるため、フォントがインストールされていない場合でも文字化けなどは起きませんが、解像度が固定されるため印刷品質が低下する場合があります。

テキストの保護

アウトライン化されたテキストは、フォントの変更や置き換えができないため、意図しない変更や誤操作からテキストを保護できます。また、フォントが固定されることによってデザインの一貫性が保たれ、ブランドイメージの統一を図ることができます。

アウトライン化のデメリット

一方で、アウトライン化にはいくつかのデメリットも存在します。以下はその主要なポイントになります。

編集が困難になる

一度アウトライン化されたテキストは、文字としての編集ができません。文字を再度編集するには、元のテキストデータが必要です。そのため、アウトライン化する前に必ずデザインの最終確認を行い、元のデータをバックアップすることが重要です。

特殊効果が失われる可能性

アウトライン化により、フォントに適用された一部の特殊効果（テキストの変形やフィルター効果）が失われることがあります。そのため、アウトライン化した後の確認や調整を怠らないようにしましょう。

作業時間の増加

アウトライン化は、大がかりなデータの場合、全てのテキストをアウトライン化するのに時間がかかります。また、アウトライン化後の確認と調整も必要になるため、全体の作業時間が増加する可能性がありますので、余裕を持った制作スケジュールを組んでおきましょう。

まとめ

アウトライン化は、印刷用データを作成する際に重要なプロセスです。アウトライン化を適切に行うことで、フォントの一致を保証し、印刷物の仕上がりが向上させ、トラブルを未然に防ぐことができます。デザインの最終段階でアウトライン化を行うことを忘れずに、確実な印刷用データの作成をしましょう。

印刷用データの作成についてお困りの場合は、是非当社にお気軽にご相談ください。お客様のご要望やお困りごとをお聞かせいただき、専門の担当者が丁寧にご説明させて頂きます。

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