特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > デザインの雑学など > 【保存版】イラレで作る、分かりやすいリッチブラックの作り方
公開日:2020年10月29日
皆さんはリッチブラックをご存知でしょうか。リッチブラックとは、CMYKの全てを使って表現される「黒」のことであり、通常のK版(スミ)だけでは表現できない引き締まった黒のことです。
ただしリッチブラックは、きちんと設定を守らないとトラブルの原因になってしまいます。今回はイラレで作るリッチブラックの分かりやすい作り方をご紹介します。
印刷物のインキには適正な濃度があります。インキ濃度が340%を超えると、インキが乾きにくくなってしまい、印刷物同士がくっついてしまうのです。この現象をブロッキングといいます。
このようなことにならないように、入稿データ上、インキの濃度は常に340%以下になるようにしなければなりません。リッチブラックだからといってCMYK全てを100%にすると、このようなトラブルの原因になりますので注意しましょう。
リッチブラックの参考数値はこちらになります。基本的にKは常に100%で、他のCMYにおいては40%〜60%程度が適正値です。一般的な数値はCMYが40%、さらに深い黒にしたい場合は60%まで数値を増やします。
Cシアン:40%
Mマゼンタ:40%
Yイエロー:40%
Kブラック:100%
Cシアン:60%
Mマゼンタ:60%
Yイエロー:60%
Kブラック:100%
上記の数値を元にして、デザインに合わせて数値を調整してみてください。ちなみに、リッチブラックを設定したあと、スウォッチに登録しておくと便利です。適用させたいオブジェクトに簡単に反映させることができます。
デザイン上、リッチブラックを使いたくても不向きなシーンがあります。以下に記載したような場合にリッチブラックを使うとトラブルになる場合があります。ご注意ください。
◯細い線や小さい文字・・・少し版ズレしただけで滲んだようになってしまいます。このような場合は通常のスミベタ(K100%)がオススメです。
◯リッチブラックを広範囲で使用している・・・使用面積が大きいとそれだけインキがより乾きにくくなります。インキ濃度が適正数値であり、部分的に使用されている場合は問題ありませんが、広範囲である場合は注意が必要です。
◯紙質・・・上質紙やマット系の紙は裏移りしやすい為、より注意が必要です。
◯色校正・・・リッチブラックを使うということは、色へのこだわりがあると思いますが、モニター上でみている色と、実際に印刷した色では印象が違います。また、使用する紙によっても差異がありますので、本番印刷前に色校正をとることをオススメしています。
いかがでしたでしょうか。リッチブラックを知っておくと、表現の幅がワンランクアップします。是非、今回の記事に書いてあることを参考にしていただき、お役に立てば幸いです。
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