特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > デザインの雑学など > 【印刷で失敗しないために】「デザインの4大原則」を徹底解説!
公開日:2023年09月19日
効果的で質の高い印刷物の作成において、「デザイン」は欠かせない要素です。
印刷物を作成するにあたって、デザイナーに依頼をしたり、簡単な内容であれば自分でデザイン作成を行う場合もあるでしょう。
そこで今回は、いいデザインかどうかを判断し、印刷物で失敗しないために知っておくといい「デザインの4大原則」について解説します。
デザインの4大原則とは「近接」「整列」「強弱」「反復」という、デザインするうえで抑えるといい4つのポイントのことを言います。
これらのポイントを抑えて印刷物を作成することで、見やすいデザインやインパクトのあるデザインにすることができ、より高い効果を狙うことができます。
見方を変えれば、悪いデザインの印刷物は、この4大原則を守れていないということにもなります。自分で作る際はもちろん、デザイナーが作ったデザイン案に対して違和感がある場合、この4大原則に照らし合わせてフィードバックをすることで、より改善がしやすくなるというメリットもあります。
それでは、4大原則を一つずつ見ていきましょう。
「近接」とは、関係する情報を近づけて配置し、ひとまとめにグループ化してデザインすることを言います。
例えば、チラシの表面で、複数の商品を紹介する場合、一つひとつの商品の名前、写真、紹介文、値段などの要素を近づけてグループ化することで、それぞれの商品の情報をわかりやすく伝えることができます。各グループの間に、余白を入れることも大切なポイントです。
「近接」を使わないと、どの写真がどの商品名なのか、どの商品についての紹介文なのか、どの商品の値段なのかなどが一見してわからなくなり、見る側にストレスを与えるデザインとなってしまいます。最悪の場合、情報の誤認識を生じさせてしまうケースもあります。
「整列」とは関係する要素を、一定の規則に沿って配置することを言います。
例えば、名刺の場合、役職、名前は左揃えにして上部に、社名、住所、電話番号などは右揃えにして下部に配置したデザインになっていることがよくあります。みなさんの名刺はどうでしょうか? これがまさに「整列」で、それぞれの情報を整理し、整列させることで、パッと見でわかりやすいデザインになるのです。
整列させた情報に少しでもズレがあると違和感のあるデザインになるため、基準となる線を意識して要素が揃っているか、はみ出していないかどうかを見るようにしましょう。
「整列」を行わず、全てを中央揃えにすると、一見して各情報の違いが認識しづらくなってしまいます。それによって、どこに名前が書いてあるのか、住所がどこか、などはよく見ないと理解できないデザインになってしまうのです。
「強弱」とは、要素の大きさや色などに強弱を付けることを言います。これにより、重要な情報に目がいきやすくなったり、インパクトを与える印刷物の作成が可能になります。
例えば、ポスターなどを作る際に、「セール開催!」「20%OFF」など推しとなる文言の文字サイズを大きくしたり、色を付けることで、パッと見で何を訴求したいポスターなのかがわかりやすくなります。視覚的なインパクトも付けられるため、他の掲示物と並んだ際に目がいきやすいという効果もあります。
強弱の差は、ちょっとした違いでは効果が薄いため、思い切って付けることもポイントとなります。
「強弱」を使わず、全ての要素を同じ大きさ、同じ色でポスターを作成してしまうと、どこを見ていいかわからなかったり、自分たちが推したい内容に目を向けてくれなかったりと、効果が薄い印刷物になってしまいます。
「反復」とは、要素を一定の規則に沿って繰り返して使うことで、デザインに一貫性を持たせることを言います。
例えば、カタログや小冊子などページ物の印刷物の場合、ページをまたぐタイトルやカテゴリー名、見出しなどの要素を同じ色やフォント、サイズなどでデザインすることで、自分が今どのページを見ているかが直感的にわかりやすくなります。カテゴリーを表す共通のアイコンを使うのも効果的です。
「反復」を用いていないと、ページをめくるごとに、どういう情報が載っているページなのかを確認しなければならず、読者にストレスを与えてしまいます。
例えばお菓子類のカタログで「チョコレート」というカテゴリーがいくつかのページにまたがるとします。ページの上部にカテゴリー名を表示する際に、1ページ目では茶色の文字、次のページでは青色の文字になっていたとすると、読者は「違うカテゴリーになったのかな?」と錯覚をしてしまいます。
また、ポイントとなるのは、冊子全体で共通の規則を設けることです。ページの途中から違う規則で「反復」を用いてしまうと、「違う冊子になってしまった?」といった違和感を読者に与えてしまいます。
「デザインの4大原則」についてご理解いただけたでしょうか。この4大原則はあらゆる印刷物において効果的なポイントとなります。
チラシやポスターなどであれば、「近接」や「整列」でパッと見で情報がわかりやすく整理されているか、「強弱」で訴求したい内容に目がいくようなデザインになっているか。
カタログや小冊子では、「整列」や「反復」で統一感のあるデザインになっているか、ページをめくっていったとき混乱せず、見やすいデザインになっているか。
など、4大原則が守られているかどうかは、印刷物のクオリティに大きく影響を与えます。高度なテクニックを駆使しなくても、この4大原則さえ意識していれば、質の高い印刷物を作成することも可能なのです。
「デザインの4大原則」をしっかりと適用するうえで、共通して大切になってくるのが、掲載したい情報や写真=要素を整理できているかどうかです。4大原則の解説を見てもわかるように、見やすいデザインと要素の整理は密接に関係しています。
作成する印刷物において何を伝えたいのか、どこを一番見てほしいか、それぞれの要素の優先順位はどうか、どういう順番で見てほしいか…など、伝えたい情報を事前に整理しておくことが、見やすいデザインにおいても重要になってきます。
これらの要素の整理ができていないと、デザインの質も低下してしまいます。「このポスターわかりにくい」と感じることがあった場合、それは「デザインが悪い」のではなく「要素の整理ができていない」ことが原因としても考えられるのです。
ですので、4大原則が適用できていないデザインになっている…と感じたら、情報の整理に立ち戻ってみることもおすすめします。また、デザイナーに依頼する場合も、要素の整理をしたうえで依頼することで、仕上がりイメージとのズレをなくし、より効果的なデザインに仕上げてもらいやすくなります。
デザイナーから「何を伝えたいチラシですか?」「このポスターのどこを一番見てほしいですか?」など質問が来るケースもあると思います。その際は、要素の整理をしたがっているケースがほとんどですので、しっかりと説明するようにしましょう。
以上、デザインの4大原則についての解説でした。この4大原則を知っておくだけで、印刷物での失敗を減らすことができるはずです。自分でデザインをする際や、デザイナーに依頼をする際、この4大原則を常に忘れずに、作成をしていきましょう。
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