特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > デザインの雑学など > 印刷会社へデータ入稿前に確認するポイント【フォント編】
公開日:2020年04月16日
データ入稿前の確認シリーズ第二弾は「フォント編」です。
第一弾の記事はこちら「仕上がりサイズ編」
フォントというのは、基本的にお使いのパソコン環境に依存しています。
例えば、Aさんが使っているパソコンには、珍しいフォントをたくさんインストールしているとします。そのAさんのパソコンだけにインストールされているフォントを使用した入稿データを、Bさんのパソコンで開いた場合どうなるでしょう。
使用したフォントがインストールされていないので、フォントが正しく表示されず「文字化け」「レイアウト崩れ」等のトラブルに繋がる可能性があります。
このようなトラブルを回避するために、入稿前のフォント処理を一つずつ確認していきましょう。
フォントには「アウトライン化」という処理があります。
イラストレーターの場合、書式>アウトラインを作成 で設定できます。
この処理を行うと、フォントが「パスで構成されたオブジェクト」に変換されます。つまり、テキスト情報ではなく図形になるため、フォント環境がなくても同じように再現できるという事になります。
注意点として、一旦アウトライン化したデータをテキストデータに戻すことはできません。入稿後もテキストを編集できるようにしておきたい場合は、アウトライン化する前のデータを残しておきましょう。
アウトライン化しなくても、フォントを再現できる方法があります。それがフォントのエンベット(埋め込み)です。
フォント情報をPDFに埋め込むことで、環境が異なるパソコンでデータを開いたとしても、制作時と同じ状態で再現されるという設定です。
メリットとしては、テキストデータのまま入稿できる点です。前述のように、アウトライン化をする手間がありません。
一方、デメリットとしては埋め込みができないフォントが存在することです。もし埋め込みができていないまま入稿してしまうと、フォントが正しく再現されないといったトラブルになる可能性があります。
エンベットして入稿する際には、Adobe AcrobatまたはAcrobat readerなどでファイルを開いて、フォントが「埋め込みサブセット」になっているか確認してみましょう。
メニューの、ファイル>プロパティを開いて、フォントを選択すると確認する事ができます。
各フォント名の横に「埋め込みサブセット」と表示されていますね。この状態であればOKです。必ず入稿前に確認しましょう。
Photoshopでテキストレイヤーを複数に分けて作業している場合は、入稿前にレイヤーを「統合」しましょう。レイヤーが分かれていると、「文字化け」「レイアウト崩れ」の原因になります。
レイヤーパネルの右上にあるボタンをクリックします。
表示されましたら、「画像を統合」をクリックします。
これでレイヤーが統合され、フォントが文字化けしたりすることなどありません。注意点として、フォントのアウトライン化と同様に、レイヤーを統合するとテキストデータとして編集する事ができなくなります。こちらもテキストを編集できるようにして残しておきたい場合は、統合する前のデータを保存しておくと良いでしょう。
最後に、Microsoft Officeデータについてご紹介します。
ワード、エクセル、パワーポイントなどのOfficeデータですが、このファイル形式のまま入稿することはお勧めしておりません。冒頭でご説明したように、パソコン環境によって指定したフォントが再現されないという可能性がありますが、特にOfficeデータではこのような現象がよく発生いたします。
ですので、PDFデータに変換することで、フォントをエンベット(埋め込み)した状態で入稿しましょう。
まず、ファイル>名前を付けて保存を選択します。
次に、「ファイルの種類」プルダウンメニューからPDFを選択しましょう。
これでOfficeデータをPDFで保存する事ができます。
※お使いのパソコン環境によって見本の画面と表示が異なる場合があります
保存した後は、エンベット(埋め込み)できているか確認しましょう。
いかがでしたでしょうか。文字化けを起こしたり、レイアウトが崩れたりなどしないように、入稿前に正しいフォントの処理ができているか是非チェックしてみてください。
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