特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > デザインの雑学など > 【今さら聞けない】CMYKとRGBの違い
公開日:2024年06月20日
デザイン制作において色の選定は重要ですが、印刷物を作成する際には特に注意が必要です。普段ディスプレイで見ている色と、実際の印刷物の色が異なることに気づいたことはないでしょうか。これは、CMYKとRGBという2つの異なるカラーモデルの違いに起因しています。
ディスプレイではRGBカラーモードが用いられますが、印刷時にはCMYKカラーモードが用いられます。この記事では、二つのカラーモードがどのように異なり、なぜ印刷においてCMYKが不可欠なのか、詳しく説明します。
CMYKとは、印刷において使用されるカラーモデルの一つで、「シアン(Cyan)」「マゼンタ(Magenta)」「イエロー(Yellow)」「ブラック(Key Plate)」の4色を組み合わせて色を表現します。CMYKは、オフセット印刷やインクジェットプリンターなど、さまざまな印刷技術に広く使われています。ちなみにCMYKの「K」はブラック(黒)を指し、最も基準となる版となるため「Key Plate(キープレート)」と呼ばれています。
CMYKとよく比較されるのがRGBです。RGBは「レッド(Red)」「グリーン(Green)」「ブルー(Blue)」の3色を組み合わせて色を作ります。大きな違いは、RGBが光の三原色を使い、色を混ぜるほど明度が高くなる加法混色であるのに対し、CMYKは色の三原色を使い、色を重ねていくと明るさが減り、黒になっていく減法混色である点です。
RGBはディスプレイやテレビ画面、スマートフォンなど、光を発するデバイスに使われます。光を足すことで明るさを増し、最終的には白色を作り出します。一方、CMYKは紙などの媒体にインクを載せる際に使用され、色を重ねることで光を吸収し、最終的には黒に近づきます。
印刷にCMYKが用いられる理由は、紙という媒体に色を表現するのに最適だからです。紙にインクをのせる場合、RGBのような光の発光ではなく、インクが光を吸収する特性を利用します。シアン、マゼンタ、イエローのインクを重ねていくことで、さまざまな色を再現できますが、完全な黒を作るのは難しいため、ブラックインクを追加することで鮮明な黒を表現しており、印刷技術の進化に伴い、CMYKの4色で広範囲の色を表現することが可能となっています。
CMYKには、再現が難しい色も存在します。特に、蛍光色や金属色などはCMYKでは表現しにくいです。これらの色は、印刷においては特殊なインクや加工が必要になります。
また、CMYKでは特定の鮮やかな色や明るい色の一部が再現しにくい場合があります。たとえば、非常に明るい色などはCMYKの色域の外にあるため、正確に再現できないことがあります。このため、特定のデザインやブランドカラーを忠実に再現する場合、DIC(ディック)やPantone(パントン)などの特色インキを使用することがあります。
印刷の際には、カラープロファイルを確認し、設定がCMYKモードになっていることを確認します。また、実際の仕上がりを確認するために、色校正でテスト印刷を行うことも重要です。これらの基本を押さえた上で、次に具体的なCMYKカラーモードの設定方法について説明します。
Adobe Illustratorを使用してCMYKの設定を行う方法について説明します。
Illustratorを開き、「ファイル」メニューから「新規」を選択します。新規ドキュメントダイアログボックスが表示されたら、カラーモードを「CMYKカラー」に設定します。
既に作成したドキュメントのカラーモードを変更する場合は、「ファイル」メニューから「ドキュメントのカラーモード」→「CMYKカラー」を選択します。
オブジェクトの色を設定する際に、カラーウィンドウを開き、「CMYK」スライダーを使用して色を指定します。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各値を調整して、希望の色を作成します。
以上の手順を踏むことで、Adobe IllustratorでCMYKカラーモードを設定し、印刷に適したデザインデータを作成することができます。
CMYKは、印刷において欠かせない重要な設定です。RGBとの違いを理解し、適切に設定することで、イメージしている印刷物を作りましょう。
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